株式会社 アプレ コミュニケーションズ

NEXT Business & NEXT Persons
2021/04/06 更新

[第3回]創立30周年。お客様のご支援と社員の働きに感謝

─お客様に恵まれた30年。育ててくださったお客様に感謝─

 2021年4月6日、ついに会社設立30周年を迎えることになりました。これもひとえに、長い間、ご支援いただいたお客様、関係者の皆さんのお蔭です。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
 30年間にわたるお客様との関係や仕事の変遷については、第4回以降で記述していきたいと思いますが、翻って考えてみるに、本当にお客様に恵まれた会社だなと感じます。

 バブル崩壊直後に設立するという無謀なチャレンジに対して、さまざまな仕事を出してくださったお客様。30年たった今もなお、多くのお客様が変わらずにご支援を続けてくださっていますが、よくぞスキルも経験も足りない会社に仕事を発注してくださいました。
 創業当初の事務所は高田馬場の駅前にあるマンションの一室。数人の社員とアルバイトだけという会社の体を成しているとはいえない会社との取引は、さぞ不安が大きかったものと推察します。若さだけが取り柄の会社は、けっして「できない」とは言わず、「できないこともできるようにします」「やらせてください」と言うばかり。おそらく内心では、「本当かぁ」「できっこない」と思われていたお客様が多かったのではないでしょうか。それでも当社の成長に期待し、懲りずに仕事を発注し続けてくださったこと、そのご恩は忘れません。

─お客様以上にお客様の視点で考え、提案してきた30年─

 草創期を抜け、会社としての体裁が整っていくにつれ、いろいろなことにチャレンジさせていただく機会が増えました。私自身の仕事でいえば、学生時代から行ってきた取材をし、原稿を書くという仕事が自著の書籍やテキストという形で発展していきます。また、広報やPRに関する仕事は、制作はもとよりコンセプトメイキングの仕事が増えていきました。加えて、これまで蓄積してきたノウハウを活用する形で研修の講師を引き受けるケースも多くなりましたし、大学の非常勤講師や労働組合の客員研究員という肩書もついてくるようになりました。
 個々の仕事については別途ご紹介できたらと思いますが、私が仕事の真ん中に置いたのは、「お客様以上にお客様が置かれている状況や課題を知る」こと。あわせて社会との関わりの中でお客様の事業や活動をとらえ、あるべき取り組みを一緒に模索・提案することでした。
 ピーター・F・ドラッカーは「事業の目的は顧客の創造である」と指摘しています。私は、育てていただいた客様の価値を創造するためには、お客様以上にお客様の視点で事業や活動をとらえ、社会的な視点から物事を考えていかなければならないと考えました。
 私の提案がどこまで実を結んだかわかりません。時には的外れな提案もあったかと思いますが、真摯に提案に耳を傾けていただいたお客様、提案を受けて実際の事業や商品、活動に反映してくださったお客様に、あらためて感謝申し上げます。

─新たな出会いに期待と感謝。自分づくり、社会づくりに貢献─

 最近は、創業以来からお付き合いいただいているお客様の仕事も、社員が主体的に担うようになりました。また、社員が自らの力で開拓し、仕事をするケースも増えています。そのため私の仕事は、「判断」すること、「マネジメント」することに比重が置かれるようになっていますが、ある程度の経験を重ねてもなお新鮮なときめきを感じる出会いが存在します。
 たとえば昨年は、労働組合の進化や社会性を真摯に考えようとしている労働組合に出会いました。労働組合についても別途コラムの中で記述したいと思っていますが、SDGsに示されている17のゴールを達成するためには、働く人の自立、社会性の獲得が必要です。ともすれば企業内労働組合の活動に埋没する労働組合が多い中、社会的な視点から自らの存在意義を模索する姿勢は重要ですし、その活動に学びながら、伴走できるだけの知見を身につけていきたいと思います。

 30周年。それは会社にとっては大きな節目であり、次の10年、20年に向けて飛躍するための祈念の年でもあります。しかし同時に、一人のビジネスパーソンとしては、人生100年時代の一つの通過点にすぎません。年を重ねてもなお学べるチャンスがあることに感謝しつつ、これからのビジネスライフを、働く人の自分づくりや、働きやすい環境(社会)づくりに貢献しえるものにすべく、進化し続けることをお誓いしたいと思います。

─一人の力とみんなの力。誠実に働いてくれた社員の存在が力─

 株式会社アプレ コミュニケーションズという会社は、私が設立した会社です。しかし同時に、私一人では成立しなかった会社でもあります。

 草創期は、前身の会社から一緒にやってきた社員と数人のアルバイトで仕事をしていましたが、あの狭いマンションで寝泊まりしながら仕事を続けた日々を鮮明に覚えています(当時はゼロからのスタート。仕事をとるため、制作をするために徹夜作業も続きましたし、終電がなくなって夜中まで飲み明かしたこともありました。今から思えばブラックな仕事環境でしたが、一方で充実した日々でもありました)。

 また、前述したような仕事は私だけで対応できるものではなく、誠実で前向きな姿勢で仕事に取り組んでくれた社員(正社員だけでなく、派遣社員や、フリーで関わってくれた人を含めて社員と呼ばせてください)がいたからこそできた仕事です。
 マネジメントスキルも十分でなく、働く環境整備も整わない中で、懸命に働いてくれた社員たち。心身ともに消耗したこともあったでしょうし、不安や悩みを抱えながら働く瞬間も多々あったかと思います。それでも、前向きで互いを思いやる心根の優しい社員たちは、互いに支え合い、励まし合いながら、今日までの歴史を作ってきてくれました。その努力には感謝という2文字では到底足りません。さまざまな理由から新しいフィールドに旅立っていった社員も含め、この場を借りてお礼を言いたいと思います。本当にありがとうございました。

 なお30周年という節目の年に、2人の新卒社員が入ってくれました。コロナ禍の中での就職活動を余儀無くされた2人ですが、選考の過程で仕事に対する高い意欲と大きなポテンシャルを示してくれました。2人の新卒社員に対しては、30年という実績・基盤をうまく活用しながら、新しい感覚、個々人の特性を活かして、新たな未来づくりに参画してほしいと思います。頑張ってください。期待しています。

─これからもお客様とともに、社員とともに─

 企業の価値は、どれだけ顧客を創造できるかによって決まります。今後、私たちがどのようにお客様と関わり、お客様に価値ある提案ができるのか。そして、提案した通りの品質を保持した商品を制作し、お届けすることができるのか。30周年を迎えても、私たちの仕事の原点は変わりません。そして、30年にわたって蓄積してきた基盤の上に、常に新たなものを付加し、再構築していくこと。それこそがアプレ=apres(~の後に、新たな価値を構築する)という社名に込められた意味でもあります。

 もちろん、社員一人ひとりにはまだまだ多くの課題が存在します。しかし、apresのDNAを引き継いだ社員たちです。今、できないことでも、お客様のために「できない」を「できる」に変えようと必死に努力をするはずです。ただオーダー通りに商品を作るのではなく、よりよい商品を作るために社内・外の知恵やノウハウを結集して対応することをお約束します。
 お客様におかれましては、引き続きご愛顧を賜りますとともに、お客様のために誠実に仕事をしようと努力を重ねる社員の成長を見守っていただけたらと思います。

 なお本年は、コロナ禍でお客様をお呼びしての周年式典の開催はかないません(秋口、収束のめどがたったら開催を検討させていただきます)。そのため、可能な限り社員とともにお客様の元をお訪ねし、ご挨拶をさせていただきたいと考えておりますが、コロナ禍ですのでその時期が定かではありません。
 そのため大変失礼かと存じますが、本コラムの中で、取り急ぎのご挨拶をさせていただくことにしました。
 30年間、本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願い申し上げます。